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Column
コラム
LIVING CRAFT :日々に息づく、伝統美
伝統工芸は、かつて「今」の中にありました。 暮らしの中で使われ、買われ、選ばれ続けてきた、その時代の "商品" だったはずです。 しかし今、多くの工芸は文化的価値だけを背負わされ、商品としての役割を見失っているようにも感じます、 伝統工芸を、現代の商品として復興すること。 伝統工芸は、単なる素材ではありません。 そこには、時を超えて受け継がれる精神、美意識、そして物語が息づいています。 服作りとは、そうした物語を現代に翻訳する営みです。 だからこそ私たちは、製品企画の初期段階から、デザイナーと職人が共に向き合い、何をつくるべきか、なぜそれをつくるのか、問い直すところから始めます。 対話を重ね、手を重ね、ひとつひとつの作品に命を吹き込んでいくその過程は、 技と美意識が響き合う、静かで力強い ”再生の営み” です。 加須市 石織商店4代目 石塚新吾 近影
KITASAKO HIDEAKI
読了時間: 1分


遠い国の光、手の中の輝き
東京を歩くと、目に飛び込んでくる、世界中のブランドのショーウィンドウ。
パリ、ミラノ、ニューヨーク、それぞれの街と文化が生み出したラグジュアリーが、銀座や青山、表参道の街並みに溶け込み、それはまるで、この国の文化そのものを覆い尽くしてしまったかのようにさえ見えます。
多くの海外ブランドが日本の伝統工芸とのコラボレーションを発表し、市場の波に消えていきます。
それらのほとんどは一過性の試みでしかなく、文化として根付くことはありません。
日本の文化は、どこでどのように輝いているのだろう?
百貨店の上層階で開催される催事の中に?それとも、観光客向けの土産物屋の工芸品の棚の中?
日本の美意識が、現代のラグジュアリーとして定着する事は、果たしてないのでしょうか。
KITASAKO HIDEAKI
読了時間: 2分


消えていく日本の物語 ── 未来に紡ぐ、消費されない美しさ
昨年、武州正藍染とのコラボレーションを発表しました。
伝統工芸の復興や普及は、1度のプロジェクトで完結するものではないという考え方から、
単発で終わるものではなく、ブランドとして長期的な視野で取り組んでいます。
そして今、新たな伝統工芸事業者との取り組みも進めており、今後は複数の取組みを平行して進めていきたいと考えています。
2:きっかけは15年前、京丹後市のちりめん工場で
15年ほど前、京都・京丹後市を訪れたときのことです。
地場産業である「丹後ちりめん」の工場を案内していただき、その現状を伺いました。
長い歴史を誇る織物も、時代の変化とともに苦境に立たされており、関係者の方によると、地場産業の衰退とともに町もひっそりとしていったそうです。
その頃はまだブランドを立ち上げる前の話ですので、何かアクションを起こすこともなく、お話しを聞いているだけでした。
それから15年が経ち、自身のブランドを立ち上げましたが、
KITASAKO HIDEAKI
読了時間: 4分


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