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報道関係各位

2025年06月11日

ユキヤ株式会社、KARMA et CARINA


経済産業大臣指定の伝統工芸「東京手描友禅」の繊細な筆致に、現代ファッションの感性が融合。高価すぎて手が届かない工芸品ではなく「着るアート」として展開し、今後も伝統工芸の魅力を伝えてまいります。


ファッションブランドを展開する「KARMA et CARINA」(本社:埼玉県さいたま市、代表:北迫秀明)と、経済産業大臣指定の伝統的工芸品「東京手描友禅」の若手作家集団・ユキヤ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:大野深雪)は、コラボレーションし、2025年6月下旬に「友禅アートブラウス」を発売いたします。


着物離れが進む中で日本の伝統技術を現代の日常に再提案し、高価すぎる工芸品ではなく「ふだん着の工芸品」として普及させることを目指したコラボレーションです。職人の手描き原画を"エプソン社"の最先端デジタル捺染機で再現することで品質と価格の両立を実現し、伝統工芸の持続可能な未来を切り拓く一歩となります。本商品は、全国の百貨店やECサイトなどで販売いたします。

 

オールシーズン向け 友禅アートブラウス3色展開、手描友禅×デジタル技術で「普及価格」への挑戦


■プロジェクト概要

日本の伝統工芸のひとつ「東京手描友禅」。昭和期をピークに着物の支出額が減少する中で、その技術と価値をいかに現代に活かすか――。この課題に向き合うべく、「ユキヤ株式会社」と「KARMA et CARINA」は初のコラボレーションを実施。東京手描友禅の原画を、エプソン社の最新捺染機「Monna Lisa」で高精細に再現することで、手に取りやすい価格を実現しました。

日本人の暮らしの中に活きる、日常使いのアイテム。ファッションと工芸、伝統とテクノロジーの融合によって、「伝統工芸のある日常」という新しい選択肢を提示します。



"デニムと友禅"のコーディネート例 | "カラー"の描かれた黒


■インバウンド向けの土産物ではなく、日本の日常で活きる伝統


【開発背景とストーリー】

KARMA et CARINAは、伝統工芸に“素材としての価値を超えた物語性や文化的背景”を見いだし、それを現代に翻訳することで、工芸の復興と普及に取り組むファッションブランドです。

 

協業相手のユキヤ株式会社は、東京手描友禅の職人集団として、着物需要の減少に直面しながらも、伝統技法を守り続けてきた企業。今回のコラボレーションは、ユキヤにとって本格的なアパレル製品への初挑戦となりました。


本プロジェクトは、職人にとっても新たな表現領域と顧客層を開拓する機会となり、両者の「工芸は、その時代の暮らしに根ざしてこそ普及する」という価値観の一致から、2024年8月に始動しました。


 “インバウンド”や“一部の富裕層向け”という枠にとどまらず、日々の装いに自然に溶け込む工芸のあり方を模索する中で生まれたのが、今回の『友禅アートブラウス』です。

デザインの起点として、あえて「和」からは離れ、現代日本社会になじむ「洋」のデザインを採用しました。



■柄は「女性の活躍を応援する象徴」としての花、ミモザとカラーがモチーフ

 

「ミモザ」は国際女性デーの象徴、「カラーの花」は、シスターの襟のような清らかな形状を名前の由来としており、かつて修道院が学びの場でもあったことにちなみ、「女性の知性と自由な学び」への願いが込められています。和の要素を抑えることで、現代社会に自然に入り込むデザインを目指しました。

 

原画はすべて、職人が一点ずつ筆で描いた手描き友禅。そこからパターン設計を行い、最先端の捺染機での染色、縫製と、丁寧な工程を経て、2025年初夏『友禅アートブラウス』が完成しました。

伝統技法の繊細な美と現代技術を融合し、普及価格帯での展開を実現した本製品。 “伝統工芸がふたたび日常に息づく存在となること”を、私たちは心から願っています。


“ミモザ”の描かれた水色と白


■商品特徴と魅力


  • アート性と機能性を兼ね備えた日常着:大胆かつ繊細な柄を活かすようにロングテールのシルエット。すべて職人が一点一点手描きで描いた原画を、最先端の捺染機で精緻に再現。筆致のニュアンスや色彩の奥行きを忠実に表現できるよう、細部にこだわって設計されています。すべて国内で丁寧に生産されており、日本製ならではの高い品質も魅力です。

 

  • オールシーズン対応、3色展開(白・水色・黒):ユニセックス・フリーサイズ仕様で、どんな装いにもなじみます。 

 

  • 軽くてしわになりにくい素材:軽く柔らかなポリエステル素材。発色が良く、自宅で洗濯が可能な”友禅商品”。旅行や日常のお出かけにも最適。カジュアルなデニムに合わせた休日コーデから、お食事会やギャラリー巡りなど幅広いシーンで活躍します。


ロングテールのシルエット | 柄は着物の柄入れを踏襲した位置に
ロングテールのシルエット | 柄は着物の柄入れを踏襲した位置に

※原画は全て1点1点 伝統的な「東京手描友禅」の技法を用いて描かれています




商品概要     

                               

  • 商品名:友禅アートブラウス

  • 価格:税込38,500円(本体価格35,000円)

  • サイズ/色展開 :ユニセックス フリーサイズ/白・水色・黒

  • 素材:ポリエステル100% 技法:東京手描友禅

  • 生産国:日本

  • 販売予定:全国百貨店、ポップアップショップ、ECサイトなど

  • 発売日:2025年6月下旬予定

  • 特設サイト開設中>>



ブランド紹介】                                      

・ユキヤ株式会社

本社:神奈川県横浜市

 

代表取締役:大野深雪 / 取締役:町田久美子

法人設立2017年5月9日

 

それぞれ、坂井教人・長澤龍二氏に師事。

全国染織作品展など受賞多数

2017 年ユキヤ株式会社 設立

東京都工芸染色協同組合正会員・理事

一般社団法人大田区伝統工芸発展の会会員・大田区伝統工芸士(町田)

 

 

・KARMA et CARINA(カルマ・カリーナ)

本社:埼玉県さいたま市

 

代表:北迫秀明

 

ESMOD PARIS エスモード・パリ卒

劇団四季/衣裳部、松竹衣裳/デザイン室等を経て独立

 

2018年 KARMA et CARINAローンチ

2021年 神戸コレクション、ポップアップショップ

2024年 伝統工芸とのコラボレーションで新商品開発開始

2025年 関東経済産業局支援のもとEXPO2025大阪関西万博「共創チャレンジ」「未来航路」に登録

 


【本件に関するお問い合わせ先】                          

◆KARMA et CARINA 担当者:北迫(きたさこ)

業務内容:レディスファッションブランド、デザイン、企画、販売

TEL:090-4426-0643

 

◆ユキヤ株式会社 担当者:大野

業務内容:呉服、和装品のデザイン、染色及び仕立て、販売

TEL:045-834-4288 (代表) 

 



昨年秋に北迫が登壇いたしました、高輪ゲートウェイで行われたトークセッションの様子が

TAKANAWA GATEWAY CITY公式サイトにて公開されています





  • 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

    広報・プロモーション局 企画部共創推進課 参事 柴原 佳孝 氏


  • 東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部

    まちづくり部門 品川ユニット マネージャー 天内 義也 氏


  • 一般財団法人JR東日本文化創造財団 MoN Takanawa: The Museum of Narratives 開館準備室 室長 大阪・関西万博テーマ事業 シグネチャーパビリオン「いのちの未来」企画統括 内田 まほろ 氏


  • 株式会社バスキュール 代表取締役 朴 正義 氏


  • 経済産業省 関東経済産業局 産業部 地域ブランド展開支援室 室長 澤原宜 謙 氏


  • カルマ・カリーナ+石織商店 デザイナー 北迫 秀明 氏


  • TOPPAN株式会社 情報コミュニケーション事業本部文化事業推進本部

    コンテンツ企画 クリエイティブディレクター 木下 悠 氏





© East Japan Railway Company



1:伝統工芸とコラボレーションを続ける理由


昨年、武州正藍染とのコラボレーションを発表しました。


伝統工芸の復興や普及は、1度のプロジェクトで完結するものではないという考え方から、

単発で終わるものではなく、ブランドとして長期的な視野で取り組んでいます。


そして今、新たな伝統工芸事業者との取り組みも進めており、今後は複数の取組みを平行して進めていきたいと考えています。




2:きっかけは15年前、京丹後市のちりめん工場で


15年ほど前、京都・京丹後市を訪れたときのことです。


地場産業である「丹後ちりめん」の工場を案内していただき、その現状を伺いました。


長い歴史を誇る織物も、時代の変化とともに苦境に立たされており、関係者の方によると、地場産業の衰退とともに町もひっそりとしていったそうです。


その頃はまだブランドを立ち上げる前の話ですので、何かアクションを起こすこともなく、お話しを聞いているだけでした。


それから15年が経ち、自身のブランドを立ち上げましたが、ファッションの世界に居ながらも、パリの学生時代からずっと、「一過性に消費されていくだけのファッション」に疑問を感じていました。


ただ、ものづくり思考に強い関心があったため、その思考を自分のブランドに反映させるにはどうしたら良いのか模索していました。


2018年の春にブランドをスタートさせ、2019年から、自分の出身地である埼玉県を中心に、伝統工芸の事業者を訪ね歩きました。


岩槻、加須、八潮、小川町、寄居町など、まずは自身の出身地の伝統産業を知るため訪ね歩きましたが、今まで同県でありながらなかなか訪れる機会がなく、県内にこれだけ素晴らしい伝統技術があったことを初めて知りました。


そして昨年、自分の出身地・埼玉県の伝統工芸である「武州正藍染」の染工場と出会い、コラボレーションがスタートしました。


武州正藍染とは、渋沢栄一ゆかりの事業です。

しかし、最盛期には200軒あった藍染の事業者も、今ではわずか5軒になりました。

コラボを進める期間中にも、そのうちの1軒が廃業し、現在は実際に染色を行っているのは4軒のみです。



さて、ここからが本題です。



3:「伝統は大切にすべき」…本当にそうなのか?


伝統工芸は手間がかかり、大量生産には向いていません。


そのため、単価が上がり、時代のニーズとも合わず、次第に衰退してきました。



「伝統は守るべき」「後世に受け継ぐべき」


—— そう言われると、なんとなく「そうだ」と思ってきました。



でも、なぜそんなことが必要なのでしょうか?


言葉で、その必要性について説明することは出来ませんでした。




そんなとき、あるマレーシアのアートディレクターと話をする機会がありました。


お互いの仕事内容を紹介していくなかで、彼が言った言葉。


「私は、日本の伝統工芸が好きです。」


「私たちの国・マレーシアはできたばかりの国で、歴史が浅い。」


「だから、日本の様に何百年も受け継がれてきた文化があるのが【とてもうらやましい】」


彼の言葉を聞いて、はっとしました。




日本の伝統工芸=日本の歴史



伝統工芸を1つ失うということは、日本の歴史の1ページが失われることと同じです。


当たり前のことだ、と思われるかもしれませんが、伝統を大切にしなければいけない理由を

このように「言語化」すると重みがあります。


そして今、日本の全国各地でその歴史が次々と消えつつあります。


私たちの知らないところで、伝統工芸の灯は、次々に消えているのです。つまりー



4:消えていく日本の物語


日本という1冊の本。


そこには、先人たちが何世代にもわたって紡いできた、様々な物語が書かれています。


でも、誰も気にしないうちに、1ページ、また1ページと、破り捨てられていきます。


気づいたときには、ページの大半が抜け落ちているかもしれません——。


それが続いていけば、日本という1冊の本の中身は無くなってしまいます。


私たちは今、そんな時代を生きています。



伝統工芸を「生きた文化」として未来へ


文化的遺産 から 商材へ




国の補助金や支援だけで守り続けるのではなく、


“今の暮らしの中で生き続けるもの” として、製品化させる。


伝統を“守る”のではなく、“活かす”。


そうすることで、伝統文化は時代を超えて受け継がれていきます。




5:受け継がれるものを、未来へつなぐ


伝統を守ることが目的ではありません。


あなたにとって、ずっと大切にしたいものは何ですか?



流行は移り変わります。


けれど——


本当に心が動くもの、長く愛せるものが、きっとあなたの人生を豊かにするはずなのです。



「今の私たちにとって、心が動く1着をつくること」。


それが結果として、未来に受け継がれるものになればいいと思います。



だから私は、


「今を生きる私たちが、本当に美しいと思えるもの」


「未来の誰かが受け継ぎたくなる、時代を超えて愛されるデザイン」


そんなものづくりを続けています。








北迫秀明

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